エコで平和な暮らし方
2011-01-05


2009年8月30日の田中優氏の講演「エコで平和な暮らし方」のメモです。記録者による改変の可能性があります。

 キリマンジャロの雪解け水が、乾季の動物の命の水だが、現在では殆ど雪解け水が無くなった。
 北極圏のアザラシの子どもは2週間は流氷の上で育つ。しかし流氷が早く解けるので20万頭のアザラシの子どもが死んで、イヌイットには餓死者が出た。

 地球温暖化がCO2のせいでないにせよ、ノーリフレットポリシー=後悔しない選択が必要。20年後にCO2が原因だと分かっても、今、対策を取らないと間に合わない。疑わしいものは排出させない。95%の科学者はCO2原因説を支持している。
 水俣病は有機水銀が原因とは実証されていない→だから有機水銀の排出を規制しなかったらどうなっただろう、熊本県民の人口は半減しているのでは?

 化石燃料に依存したままの世界の問題は、石油のピークオイル。ピークオイルとは、
@発見された油田の量(大きな油田は1980年まで見つかっていて、その後は見つかっていない)
A世界の石油の消費量はどんどん伸びている。
B油田から取れる石油の量は、ピークを過ぎると急激に取れなくなる、急激に生産量が減る。

 石油の生産量が頭打ちになると(ピークオイル)、高くなっても買わないといけなくなる。最上流の油田を握ったやつが絶対金儲けできる。
 国際エネルギー機関IEAの出したグラフでは、2008年1月がピークオイル迎えてしまっていた。リーマンショック、サブプライムローン、そこからの不況はそれが要因では、と世界ではいわれている。

 景気が良くなると、石油が値段が上がってノッキングを起こす。イラクで100万人を殺した軍事侵攻だが、結局大量破壊兵器はでっち上げだった。アメリカはイランにも襲いかかろうとしたのは、イランが油田を持ってるから。アメリカはベネズエラのチャベス大統領を暗殺しようとした。→化石燃料は紛争の原因になり続ける。世界の紛争地は化石燃料・鉱物資源・パイプライン・水資源で起こる。
 (新しい国)新疆ウイグル自治区、石油の油田、天然ガスの油田、カスピ海に繋がるパイプラインが通っている、だから中国は他国の領土なのにウイグルを手放さない。
 チベットは、油田が見つかり、鉱物資源(希少金属)が13兆円ある。2002年に開通した世界一高い場所を通る青蔵鉄道で最初に通ったのは貨車であった。鉱物資源を取るための鉄道である。
 ガザの紛争は、1992年にガザの自治政府に譲渡した領海を2000年に調査したら、大規模な海底ガス田が見つかった。このままではハマスに毎年43億円の収入が入ってしまう。→イスラエルが一方的に軍事進行し、海沿いと漁船を中心に破壊した。今でも浜に顔を出すと撃たれる。
インドネシアのアチェ州も、東チモールも、南米も同じ構図です。
エネルギーを自然エネルギーに変えることが戦争を無くすもっとも有効な方法です。

 以前のドイツのシュレーダー大統領は盛んに次のように言っていた。「本当のエネルギー・セキュリテイーは他所の国を軍事侵略することではない。その地域で生み出すことができる自然エネルギーを伸ばしていくことだ」日本を除く全ての先進国はおもいっきり自然エネルギーにシフトしている。

 百年後のエネルギーは何ですか。石油41年分、天然ガス65年分、ウラン85年分、石炭155年分(CO2の排出が天然ガスの倍)。百年後のエネルギーは自然エネルギーしかありえない!
 欧州は、だとしたら50年後はどうあるべきか、20年後はどうあるべきか、バックキャスティングで将来を考えている。

 軍事費を他の用途に使えたら何ができるか。計算をしてみた。
 途上国では3秒に一人子どもが死んでいる。ミンダナオ島ではバナナやパイナップル農場の脇で、子どもが飢えて死んでいる。フィリピンは先進国に莫大な借金を抱えている。外貨で返済しなければならない。元本は返し終わっても金利が金利を生んで、ずーと返さなければいけない状態になっている。

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