那智の滝水源域の荒廃 資料01
2006-04-14


那智の滝の水源の危機について調べている。ざっと流すと下記のような経緯がみつかった。解説を抜きにして各サイトの一文を抜粋を記載します。

----- 那智勝浦町
那智の滝源流水資源保全事業基金
[URL]
 町史を紐解くと、那智の滝を取り巻く山林の所有は、民有林が多く、昭和四十年をピークとして、高度経済成長により建築材として多くが伐採され、滝の水が危ぶまれました。町では昭和三十六年に「滝の水資源対策委員会」を発足させ対策に当たりました。当時この山林の所有者であった方が、所有山林の一部を明治神宮に寄附し、水資源の確保とその環境保護に協力し、滝の水の枯渇の心配は一応薄らいだとあります。

----- 紀伊民報記事
寄付集まらず「呼び掛けに工夫必要」水源や景観守る基金 【2005年11月8日付掲載記事】
[URL]
 那智勝浦町は2001年度に条例を制定し、国からの「ふるさと創生資金」1億円を元手にして「那智の滝源流水資源保全事業基金」を設置した。
 水量が減ってきた那智の滝の水源を守るため、那智山約500ヘクタールのうち民有林約220ヘクタールを買収することが目的。02年度からはパンフレットを作製したり、滝の前や那智山青岸渡寺境内に募金箱を置いたりして、寄付を募っている。

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 十分な確認がとれてないが、地元の方から聞いた話では、那智の水源域の所有者は、国有林(?ha)・明治神宮(200ha・木原造林が寄進)・松本林業(200ha)ということなので、大体上記の話と合致する。
 ただ先日ざっと視察した印象では、どの所有者も十分な手入はできていない。崩壊する林道を修復する意向はどの所有者にもないという印象を受けました。(表土の脆さから修復工事には膨大な費用が必要)

 那智の滝の水源の危機を調べるうちに注目の新聞記事を見つけた。2002年元旦発行の紀伊民報に「『那智の滝』水源の水の再生を」と題して、那智の水源域の現状を憂慮する大がかりな特集記事が組まれている。
 読んだとは思うのだがその頃は環境について積極的に関わる意識が乏しく、現地を視察して今持っているような危機意識が無くあまり記憶に残ってない。
 残念ながら紀伊民報のWebサイトには記事が残ってなく図書館で記事を読んできた。この特集記事は、長年熊野の森の再生を訴え活動してきた、今は無き後藤伸先生の意見を的確に要約し、とにかくめでたい記事で埋めるはずの元旦特集に、このような硬派な特集記事を組んだ(このころの)紀伊民報編集部にはエールを送りたい。

 また生前に後藤伸先生のお話を聞く機会が無く、今になって後藤先生の危機感に共感する自分の間の悪さが残念でならない。問題意識の自覚に遅れたとはいえ、後藤先生は今も私たちに歩むべき指針を与えてくれている。私たちに出来ることは残された言葉を指針に前にすすむことだ。
[那智の滝]

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